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Artist statement

島とタマシイ

宮脇慎太郎チーム  M-1

リサーチ・企画編

少子高齢化と限界集落の象徴とされる日本の離島。しかしそれは将来の日本の姿とも言える。中高生と共に時間の許す限り離島を訪れ、島で生まれ育った人たちから、何を誇りに生きているのか?何を大切にしているのかを聞き取っていった。大半のものは、先人たちが築き上げてきたものが多く、目に視えるものだけではない時間軸の広がりを感じてもらうようにした。それらを各人が写真に収め、組み写真という形で発表した。

制作編

海に浮かぶ島影は、そこで生まれ育った人の精神の象徴だ。前もって撮影した空撮写真を元に、暗室作業によってそれを大きく引き延ばし、モノクロ現像プリントした。それぞれの島の写真は、その島の人口に応じた枚数でコラージュ。本島は約250枚、志々島は約20枚、小与島は2枚。実際人口の少ない島に行けば行くほど、人間一人一人の存在は大きくなると感じる。そして写真は編んだ竹に貼り付けている。これは葬式の行列に使ったハナカゴを模していて、本体からはみ出た竹には霊魂が引っかかると言われている。

 

※両墓制

塩飽諸島には一人の人間に対してお墓を二つ作る風習がある。これは古来の土葬からきた習俗で、身体を埋葬する埋め墓と、魂を祀る参り墓が存在する。しかし少子高齢化と共にこの習俗も崩壊しつつあり、島を訪れると野に帰りつつある多数の参り墓を目にする。遺体がある埋め墓の方も整理され、現代風の石塔に建て替えられつつある。本来参り墓にあったはずの魂はどこに行ってしまったのだろうか?素朴な疑問から今回の写真作品の着想は生まれた。

 

インスタレーション:

インクジェットプリント W2850×H1150

印画紙、竹 W2510×H1050

 

映像:『両墓制に関する証言 〜志々島・本島・佐柳島・高見島〜』約30分

宮脇配置図

2025年度 瀬戸内海分校プロジェクト 「かがわアートスタディーズU18」

主催    香川県

      東京藝術大学

共催    香川大学

総合監修  日比野克彦 東京藝術大学長

企画運営  橋本和幸  東京藝術大学  美術学部長/瀬戸内海分校プロジェクトリーダー

      西村雄輔  東京藝術大学  絵画科 油画 教授

      柴田悠基  香川大学 創造工学部 講師

特別講師  末永慶寛  香川大学 創造工学部長

技術協力  永冨太一  香川大学産学連携・知的財産センター長

      

このプロジェクトで香川県と東京藝術大学は次のSDGsの取り組みに貢献し、地域の大学と連携して開催します。

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