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この記事は瀬戸内分校プロジェクトをサポートする香川大学創造工学部メディアデザインコース柴田研究室の皆さんと共同で運営しています

2022年8月26日 午前


こんにちは!

5日目は一日各アーティストのチームに分かれてリサーチや制作を行う日でした。私たちの班はアーティストの伊東さんが前日からの参加ということもあり、全員で話をした結果「もう一度海に行こう」ということになりました。


伊東さんの運転で最初に向かったのは屋島の蒲生海岸。

高松の中では海ごみ拾いも多く行われている場所です。

ここでは海岸に落ちているごみを拾い改めて自分がごみ拾いを通してどんなことを感じたのかリサーチを行いました。


高校生たちからは「プラスチックの破片が多い」や「場所によってごみの量が違う」という発見や「何かわからないけど、原形をとどめているものはどこから出たのか、どう使うのかを想像するのが面白い」「キラキラしているものなどコレクションしたくなるものもあった」などの意見が出ました。2日目にも海でリサーチを行いましたが、私はその時よりも高校生たちが地面に落ちているものをよく観察しているように感じました。


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また、24日に豊島で学んだ「ごみも元は誰かの大切な生活のカケラである」というメッセージが強く印象に残っている学生が多かったため、宝物探しも同時に行い、なぜそれを拾おうと思ったのかを考えました。


この日の一番の大きな宝物は高校生の男子メンバーが好奇心が抑えきれずに拾ってきた錨(いかり)です!本当に落ちているものなのか最初は私も目を疑いましたが、確認をしたうえで持って帰ることにしました。これには先生方もびっくりされていました!


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次に向かったのは長崎の鼻です。

屋島の一番端っこに位置するとても綺麗な場所で瀬戸内海を一望することができます。ここでは波や石の特徴や周辺の海岸にいる虫や落ちているものの観察、視界に入ってくるものに対しての「どうして」「なぜ」を考えました。


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みなさんは海に大きな木が一本刺さっていたらどんなことを感じますか?

海を見ていると、瀬戸内海の中では流れも強い場所で海の中に一本だけ木が刺さっていました。遠くにあり写真におさめることはできなかったのですが…。

この木一本からも「最初は何本も生えていたのかな」「どうして流れていかないのだろう」と想像を広げることができました。


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最後はみんなで記念写真をとり、次の場所へ出発しました。

午後は屋島の頂上へ向かいます!

2022年8月25日 午後

こんにちは!

伊東さんのチームで活動をしている香川大学柴田研究室の川﨑です!

伊東さんの班での活動は主に私が書かせていただきたいと思います!

よろしくお願いします。

午後はアーティストが主導になりチーム別で初めて活動を行いました。

私たちのチームは東京で前日まで活動をされていた伊東五津美さんと合流をする日がこの日でした!

最初に行ったのは自己紹介とアイスブレイク。

円形に机を並べ、全員の顔が見えるように椅子に座りました。

自己紹介はアーティストの伊東さんからスタートしました。

伊東さんは東京芸術大学の油画を専攻とする研究室に所属しています。しかし、絵を描くだけではなく、普段からいろんな場所に行き、リサーチを繰り返し作品制作することも多いと仰っていました。伊東さんに声がかかったとき、「海の作品を作れる」という言葉にもとてもワクワクしたそうです。

他にも伊吹島に滞在してた時の話や、香川に足を運んだ時の話などをたくさんお話してくださいました。



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その後、メンバーの部活や好きなことを共有して、お互いの理解を深めました!イラストが好きな学生や書道をしている学生など、様々な才能を持った高校生たちが集まっていることが分かりました。


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次にこれまでの3日間で発見したことや印象に残ったことを一人ずつ発表しました。

その中でも豊島での喜多さんのお話が印象に残っている人が多かったです。それまでの考え方(ゴミは悪いものという印象)がひっくり返されるような海ごみに対する考え方に触れることができたからだと思います。

喜多さんのお話が印象的だったというメンバーが多かったため、豊島で拾ったゴミとその起源をそれぞれ考え、発表を行いました。いろんな視点から考え、物の気持ちになってみるということに苦戦しながらも、拾ったものにストーリーをつけました。

物の形や色、特徴をよく観察するとどの様に使われていたのか、悲しそうな様子をしているなど想像の幅が大きく広がりました。


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発表を通して豊島で学んだ海ごみに対する考え方をアウトプットし、理解を深めた後、伊東さんから「ものを見ること」についてのお話がありました。

「ものに刻まれている痕跡を見ること=時間を感じること」

「痕跡は作った人の想いや時間の蓄積を表し、今自分が見ているものが少し前に起こった出来事の結び目になっているのではないだろうか。」

伊東さんのお話を聞き、豊島で拾ったものの気持ちになり、ものをよく観察をするという行為が、「今」調べるだけでは分からない“見えない歴史”を考えることに繋がっているのだと気づかされました。


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その後は、これからの流れを話し合いました。

そして、それぞれで感じたことを伝えられるようにと、伊藤さんからの提案で新聞紙を作品として制作することになりました!

どんなことを記事にしたいかを考える為、次の日の活動はもう一度海へリサーチに向かいます!


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2022年8月25日 午後


4日目の午後からは、各アーティストと高校生のメンバーからなる班で別れて、班ごとに別行動でリサーチを行いました。このリサーチは、最終日まで続きます。これからの一連の記事では、東京芸術大出身アーティストである鉾井喬さんの班にフォーカスしてDay4からDay6までの記事をまとめていこうと思います。そして、この記事は鉾井さん班のメンバー兼助手である奥野が担当させていただきます。


鉾井喬さんってどんな方なのだろう?という方に向けて、説明させていただきます。

鉾井さんは、2010年に東京藝術大学大学院美術研究科を修了し、2016年から同大学のデザイン科立体工房で非常勤講師をされています。筑波大学時代には、人力飛行機サークルに所属し、鳥人間コンテストに参加しました。パイロットとして空を飛んだ際、わずかに存在する風に飛行機が翻弄された経験から、現在では見えない風を可視化することを作風としています。また、NHK福島局のカメラマンとして就職し、東日本大震災の際は仙台平野を襲う津波をヘリコプターから空撮中継。その後の福島県知事の会見にて、自身が暮らしていく際に必要なるエネルギーがどこから来ていたのかを認識し、エネルギーと自然の関係性を問うことも作品のテーマにされています。



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:鉾井さんとピンホールカメラの写真


Day4午後の最初は、本プロジェクトの展示場所である池戸公民館で、これまでのリサーチの感想と、これからの取り組みについて話し合いました。


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:みんなで集まって感想会&今後の予定決め。池戸公民館はフローリングの質感もいい。


感想について多く挙がったリサーチは、Day3に豊島で行われた喜多船長のお話です。これまでゴミはゴミとして認識していた固定観念が、いつからモノがゴミに変わるのか?誰かにとってそのゴミはゴミではないのではないのか?というように認識の角度を変えることによってゴミの見方が変わったという意見が多くでました。また、様々なリサーチの中で出現する「恵比寿さん」という神様など、地理や文化など様々な知識を多角的に取り込んでいく中で、点と点がつながる感覚があることが面白いという意見もでました。また、鉾井さんの感想では、水の流れを起点に、流れの速さは今も昔も変わっていないが、それを扱う人間の営みの速さは変化しているとおっしゃっていました。勝手ながら、水というエネルギーとそれを扱う人間社会についての関係が、鉾井さんのテーマっぽいなと感じました。そして、アーティストの方は常に感受する際に、自身のテーマに対してどのように捉えることができるのか、というフィルターセンサーが働いているのだと感じて、とても参考になりました。


そして、これからの予定についての話し合いでは、鉾井さんの「なにか作品つくりたくないか!?」という呼びかけで、5日目以降は、高校生のメンバー個人個人でリサーチのアウトプットを表現していこうということになりました。


以降の予定は


Day4 ・・・ 展示会場の採寸、三木町散策

Day5 ・・・ 鉾井さんによる高校生へのインタビュー、作品制作

Day6 ・・・ 作品制作、発表


となります。


みんなで感想を話し合った後は、展示会場の寸法を測りました。

展示会場である池戸公民館には敷地内の庭に蔵があるのですが、そこで採寸を行いました。この蔵は、もともと蚕の繭が孵化しないために低温保管するための蔵だったそうです。蔵の一階と二階はともに地面・壁・天井が金属板で覆われており、公民館の管理をしている人曰く、年中を通して氷によって冷やされた明かりのない場所だったそうです。実際に入ってみると、蚕を保存していた部屋には、金属製の分厚い扉がついており、温度を一定に保とうとしていたことがわかります。蔵の窓は、当時のものと思われる新聞紙でおおわれており、高校生のメンバーも見慣れない物・場所でテンションが上がっていたように感じます。メジャーの正しい測り方なども教えていただき、採寸は20分ほどで終わりました。


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:メジャーを持つ高校生メンバーと、その寸法をメモに書き込む鉾井さん


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:いつの新聞でしょうか。


その後は、三木町散策を行いました。ルートは池戸公民館から男井間池までの往復で、地元に住む高校生の視点と寄寓者(一時的に外部から訪れた人のこと:歴民での講義で出てきたので使います)である鉾井さんとの視点の違いを交えて、普段何も考えず道を歩くこととは少し違う、異文化交流的で面白い話ができました。タニシがたくさんいる、お地蔵さん用の小屋がある、水不足の県にしては水路の水量が豊富だ、などいろいろな話をしながら男井間池につきました。男井間池につくと、鉾井さんは「惜しいなぁ」とおっしゃっていました。どういうことなのかと高校生が尋ねると、「ため池をため池で終わらせている」とのことで、様々な催しが行われている瀬戸内の海に対して、ため池が有効活用されていないことにもったいなさを感じているということでした。高校生メンバーは、そのようなことは考えもしなかったらしく、この散策では、高校生にとって日常的に見えている香川の風景を客観的にとらえなおすキッカケのようなものが多く会話の中で生まれた気がしました。


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:散策したとき時の写真


その後は、池戸公民館に帰って、解散しました。Day1~3まで、班として活動することはありました、今日は初めての班での独立行動だったので、とても濃密な会話というインタビューが双方で行えたような気がします


明日Day5から鉾井さん班は今回のリサーチのアウトプットを行うことになります。どんな作品ができるのかとても楽しみです!

2025年度 瀬戸内海分校プロジェクト 「かがわアートスタディーズU18」

主催    香川県

      東京藝術大学

共催    香川大学

総合監修  日比野克彦 東京藝術大学長

企画運営  橋本和幸  東京藝術大学  美術学部長/瀬戸内海分校プロジェクトリーダー

      西村雄輔  東京藝術大学  絵画科 油画 教授

      柴田悠基  香川大学 創造工学部 講師

特別講師  末永慶寛  香川大学 創造工学部長

技術協力  永冨太一  香川大学産学連携・知的財産センター長

      

このプロジェクトで香川県と東京藝術大学は次のSDGsの取り組みに貢献し、地域の大学と連携して開催します。

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